主にゲームと映画

ゲームや映画に関する感想等を書きます。ネタバレはあります。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

公開初日に最後のジェダイ見てきました。満足度は80点ぐらいの出来。アクションシーンはいつも通り豊富でクオリティも年々高くなっていて満足。個人的には動物に乗って逃げるシーンがド派手且つ明暗のコントラストが強くて好きだった。

ルーク周りに関してはやや不満が残る。一人で立ち向かうシーンや最期など、展開やEP4の光景のオマージュはとても熱かった。しかし結局戦闘シーンは無いし、レンとの過去の確執には何も決着を付けずに退場。島にいる間の溜めが長かっただけに不完全燃焼感は否めない。

他にもレンとレイの動向など曖昧に終わった部分もあるがその辺は次作に期待する。ただEP7でのルークが出て来たレンの回想が何だったのかは気になる所。あれだけ引っ張っておいて何の血縁関係も無かったのも首の捻りどころか。

どうでも良いけど、ヨーダが新三部作の時のCGモデルではなく、旧三部作の時の作り物っぽかったのはこだわりを感じた。

あと、「嫌な予感がする」が無かったね。あとスノークとファズマは何の為に出て来たんやろね……。次作は最後のジェダイとなった(?)レイと、ファーストオーダーを継いだレンの対立になるんだろうか。

エピソード7、8と比較すると、新三部作はライトセーバーバトルが豊富で好きだったなぁ。大荒れの集団戦は今でも充実してるけど、個人対個人の少年マンガ的熱い展開が今の作品には無いね。新三部作はモール、ドゥークー、アナキンと最終戦がどれもしっかりしてたんやなって。

 

(2017/12/17)

スーパーマリオ オデッセイ

クリア前

マリオデ、月まで行ったけど面積あたりのマップの密度は最近のゲームじゃ一番なのでは。最初マップを開いた時は「意外と狭いな」と思うけど、隅々まで探索した後にムーンのリストを見ると半分も集めてなくて驚いてしまった。

あとは、都市のリアル路線→(ちょっと飛んで)→料理の国のファンシー路線→亡びた国の西洋路線→クッパの国の和風路線
という世界観バラバラな感じかすごく好みだった。特にあのドラゴンが出て来た時のマリオじゃない感は、本作だからこそ欠点ではなく魅力になっている点だと感じた。

ので、もっと「これマリオじゃねーだろ」みたいな敵やステージをもっと用意してくれても良かったかも。と言ってもマリオじゃない感を出そうとしたら、ポップでデフォルメされた感じは多分許容されるので、リアル路線に行くしかないのだけど。

クリア後

64やサンシャインの系譜だと思っていたけど少し違って、ピーチ城やドルピック島の様なエントランスは撤廃され、強いて言えばそのポジションとなる都市の国も1つのワールドとして登場している感じ。

ワールドの中のコース選択が無くなった事により、よりシームレスなプレイが楽しめる様になった。チェックポイントにワープした際のロード時間も問題無い長さで、また残機の概念もオミットしたり等快適な作り(元々残機システムも0になってもまた増やせるので無意味と言えば無意味だったし)。

ムーン集めは非常に良く出来ていて、見つかりにくい場所にそのまま置かれている物や、その場でミニゲームをこなす物など、バリエーションに富んでいる。また、アイテム(ムーンは勿論、コイン等も)は本当に至る所に置かれていて、「ここ何かありそう」と思った所にはほぼ必ずアイテムがあるので、探索し甲斐があるし、プレイヤーに気を抜かせない作り。

マリオデを総括すると、「プレイヤーの探索欲に十二分に応える作品」。マップを進むと出てくる寄り道ポイントはとりあえず無視してメインルートを進むスタイルもあるけど、自分は寄り道見つけたらすぐ寄っていく横道にそれまくりスタイルだった。

 

(2017/11/04)

ゲーム

ゲーム見ました。疑心暗鬼に陥る主人公はシャッターアイランドを彷彿とさせる。人を信用せず嫌われる主人公が、追い詰められて初めて人に頼り、支えられる様に変わるという内容だが、如何せんその目的は復讐である為、明るい変化であると思い辛い。

あとはまぁ、ココを受け入れられるかがこの映画そのものを受け入れられるかに繋がるのだろうけど、ドッキリにしてはやり過ぎと思ってしまった。まぁ、自分の様に序盤の仕掛けで「こういうドッキリなんでしょ」と思った層すら騙す為にはあそこまでする必要があったのだろうけど。

でも起こる事が目に見えてるブーイングすら覚悟して、強引なやり方をしたその姿勢は評価できる。実際、屋上での悶着は、どっちなんだ、でもこの女は殺した方が良さそう、と主人公と全く同じ気持ちを抱いたし、扉から弟が出て来た時は遣る瀬ない驚きに溢れた。そこからのお祝いにはついてけなかったが。

 

(2017/10/25)

ヴィレッジ

ヴィレッジ見ました。シャマラン監督らしく、オチにほぼ全振りの内容。終盤までで作り上げてきた都市(?)伝説が残る古い時代の村の雰囲気を、最後に突き崩す構成。急に世界観が変わるのは反則感があるが、論理的な矛盾がなくそれらしい理由が付いているので納得。

ただ強いて言えば、村の大人達が時代を偽っていた事と、車や電話などを見せての現代である事を示す描写が両方とも弱かった為、ギャップが生まれ難かった印象。実際、現代を生きる今の人々はハリポタやらパイカリやらの様な余程の描写が無ければ、なんとなくこの映画は現代なんだと認識してしまう物だ。

大人が何故薬を取りに行かなかったのかが謎だが(大人も真実を知る人は少なかった?)、盲目の少女に外界に向かわせるというトリックは個人的に好き。後所詮ガワだけど、盲目の純粋な少女が恋人の為に頑張るという綺麗な展開は神聖な感じがして良かった。

 

(2017/10/25)

セッション(Whiplash)

セッション観ました。各所で語られている通り素晴らしい作品。シンプルさ、狂気、普通からの逸脱、等々感じた事は多々あるが、今の感想をネットでのレビューや感想に濁らされる(わるい意味でなく)前に書こうと思う。

まず序盤から中盤にかけて、先生の度を超えた指導が目を引く(観終えてから思えば本作の特徴ではなく前振りの様なものだが)。そしてそれに何度も食らい付こうとするも何度も振り払われる主人公。狂気は既に試されているのだ。

既にこの段階から、観客の想像を超える展開は多い。自信の無い者は切り捨てる行為に始まり、中盤の演奏会、主人公は遅刻したにも関わらず先生に歯向かい真っ向から対峙する印象的なシーン。このまま見事に演奏しきってこれまでの仕打ち(遅刻の不運含め)を精算するかと思いきやそうは収まらない。

宣戦布告→事故→血塗れで到着→失敗、と、ラストばかりに目が行くがこの「転」にあたる部分も本作の魅力が詰まっている。満身創痍での演奏シーンで誰もが見てられないと思っただろう。それまでも言葉通り「血が滲む」描写が多かったが、後の事を考えても、このシーンが最も痛ましいシーンだろう。

そしてこのまま演奏しきり「狂気」を見せつけるかと思いきやそうはいかない。まだこの展開は溜めの部分。力尽きる主人公。その後の爆発する怒りも感情移入させるのに十分な説得力を持っている。

色々あった後、バーで再会する二人。穏やかに話せている様だが、この展開に嫌な予感を覚えた人も、そうでない人も、どちらにせよ大きな衝撃を受ける事になる。先生の復讐。この時の主人公は今までと違った意味で見ていられない。痛ましさではなく恥ずかしさ、いずれのシーンも観客を大きく揺さぶる。

そしてラストシーン。主人公がドラムを叩いた瞬間、今まで随所で見え隠れしていた「彼もまた普通じゃない」という疑惑が確信に変わる。練習の成果を発揮しようとしても先生によって機会を潰されてきた。なら自分で機会を作れば良い。この時初めて主人公が先生を超えたのだ。

この最初にして最後の大舞台(まともに演奏できた、という条件で)に、練習の成果の発揮、先生への復讐、常識を逸脱し狂気に染まるという様々なカタルシスが重ね掛けされ、最上級の興奮や感動に溢れるシーンとなっている。

また、練習の成果を発揮するという行為は、先生から与えられた教育のお返しでもあり、復讐とは真反対な意味合いを同時に持っている事も面白い。そして正真正銘最後のドラムソロ。導入とシチュエーションを被せるという定番の展開だが陳腐さは無くシンプルに効果を発揮している。

そして演奏が終わると映画も終わる。この映画がシンプルたる由縁だろう。確かにこの師弟の関係は本作の主軸ではあるがもしこの演奏の後に二人が語らうシーン等あれば評価は大きく変わっていただろう。まさに演奏を聴きにきた客の様に演奏を聞いて興奮冷めやらぬまま終わる。それが強烈な印象を残す。

終わり方以外にも本作は「狂気」を表現する最低限な要素で固められている。音楽に理解のない家族も、ぼんやりと生きているヒロインも、主人公を強調させる為の道具でしかない。先生のバックグラウンドも多くは語られない。

二人とも「何故音楽を始めたか」は語られない。しかしもしそういった理由があれば彼らにとって音楽は「目的」ではなく「手段」になってしまう(例えば親が音楽をやっていたから、等と明かせば音楽は親子愛を見せる為の手段になってしまう)。

どんな理由であれ、二人ともとにかく音楽にこだわっていて、そこだけは絶対に譲れない二人がぶつかり合うからこそ面白い。確かに見てる時は「何故そこまで音楽に拘るんだろう」とも思ったが見終わる時にはさっぱり忘れていた。コンサートに来る客が奏者の生い立ちには興味ないのと同じだろう。

 

(2017/06/19)

ニューダンガンロンパV3

V3クリアしました。ラストの展開など触れる所は多々あるけど、1・2と比べてキャラ同士の結束や、公式がテーマとして掲げる「嘘」というワードとほぼ同じ頻度で使われた「信じる」というワードも今回のテーマに相応しかった様に思う。嘘と真実が入り交じるコロシアイの中で、16人は何を信じるのか。

重要そうなキャラは2よりも増え、第一章の引き込み方はシリーズでも最高だと感じた。最終章でその裁判をやり直すという展開も今までになく、シリーズプレイヤーを飽きさせない姿勢は流石と言ったところか。

衝撃的なオチについては、2の時点で無印プレイヤーの度肝を抜こうとあの賛否両論な展開を使っていたワケで、今回もその延長だと考えている。ただそのぶっ飛び具合は二次関数的に大きくなっているが。まぁアニメを見た感じあれ以上続ける事も無さそうだし、世界観一新という方向性には沿ってるかと。

ただやはりずっと操っていた主人公や馴染み深いキャラ達が、様々な形でプレイヤーを否定するかの様な発言を重ねるのは、黒幕から与えられた絶望と割りきれるかどうかで賛否が別れそう。あんな発言をさせたからには公式からシリーズの完結作であるとハッキリ言うくらいの度量が欲しかった。

あと個人的にキーボがあそこまで活躍するのは合ってないと感じた。単純にそれまでの立ち位置と違いすぎるっていうだけだけど。それならあんなネタキャラではなくもっと真面目系にするべきだった様な。その点ゴン太は立ち位置と生きざまが上手いこと相乗効果を起こしていたと思う。

あまり賛否両論の片側に肩入れする様な意見は書きたくないけど、最後の展開について。自分はあまりのメチャクチャ具合に気持ち悪さすら覚えたけど娯楽でここまでの感情を味わえるのは凄い事だと感じたし、これに怒ってる人達は作品を嗜むのが上手でない様に感じる(自分が上手かは別として)。

様々な考察がなされているが、個人的にはオーディションは嘘説を信じたい。記憶や人格までもが作り物なんてやるせなさすぎるし、作中でも何度も繰り返された様に、そんなどうしようもない真実は信じたくないし、せめて、今存在しているキャラ達は色んな意味で「本物」であると信じたい。合理的に言っても、思い込みだけじゃ不可能なレベルの才能も発揮されてるしね。

 

(2017/02/19)

GRAVITY DAZE 2

デイズ2クリアしました。システム面は、正に前作の正統進化。前作好きなら絶対ハマるし、イマイチだったなら本作でその感想が変わる事も無いだろう。新要素も概ね良い感じで、前作プレイヤーの要望をかなり取り込んでいる様に感じた。

ストーリー面も、風呂敷を広げてる内に終わってしまった前作と比べると、一章&二章はそれぞれの世界を舞台に単独で完結していて、終章で前作で広げた風呂敷を畳むという構成だったので、比較的分かりやすいかと。一章では貧困層と富裕層の格差など、深いテーマ性があったのもグッド。

 

新MAPジルガ・パラ・ラオについて、ヘキサヴィルとは全く性質の異なるワールドで、一つの大きな土地ではなく小さな島が幾つも集まって町の体を成している。無数の島の群れは地図で見た時もインパクト抜群で、新ハードの進化具合を感じさせる。

前作のワールドであるヘキサヴィルもまるっと登場(ボトゥム以外)。前作から変わった点はほぼないが、特徴の異なる新ワールドが登場した事により、こちらの特徴である上下にも広がる街の構造等がより際立つ様になったのは良いシナジーだと思った。

 

システム面では、やはり重力グラブがかなり使い易くなった。しかし使える場所、回数は限られており、前作の重力キック一辺倒だった戦闘を改善できている。チューンチェンジも概ね好評で、特にルーナチューンの移動性能、対空性能はかなり好評なのでは。

 

不満点としては、もう少し新マップを使って欲しかった事が挙げられる。結局一章が終わったらもう出番はなく、前作で散々飛び回ったヘキサヴィルでストーリーを進める事になる。違いが際立つとは言ったがやはり新鮮味は無い。

新マップ自体もヘキサヴィル同様4つの区画に区切られてはいるが、ヘキサヴィル並みに「街」として使われているのは1つしかなく、後はストーリー上で必要なダンジョンの様な扱いで、探索する楽しみが薄い。まあその分、その1つの街に偏って作り込みに力が入っているのだが

ストーリーも、計り知れない力を持ってそうな政府をあっさり倒す等、突拍子の無い展開が多かった印象。市長の研究についても不明瞭な部分が多く、数々の超能力や現象を「人体改造したから」で片付けている様な印象。終章に関しても、100撒いたとしたら80ぐらいしか回収できない感じ。

 

(2017/02/07)