主にゲームと映画

ゲームや映画に関する感想等を書きます。ネタバレはあります。

アントマン&ワスプ

一週間以上前だけど、凄く久しぶりに表題の映画観てきたので感想を。

 

衝撃的な結末を迎えた「インフィニティ・ウォー」以来のMCUシリーズ作品。

しかしそちらにはアントマンは登場していないので、実質的には一作目、シビルウォーに継ぐ作品となる。

時系列的にも、シビルウォーでの戦いの後、自宅謹慎処分となったスコットが釈放する直前からスタートとなる。

 

映画全体の雰囲気としては、一作目アントマンの流れはそのままな、コミカルでギャグ中心な明るい雰囲気で、子連れの家族でも気軽に観られる作品となっていた。

前作インフィニティ・ウォーで少し暗い気持ちや不安に襲われていたシリーズファンも、本作のギャグやアクションを気楽に楽しめたのではないだろうか。

この辺に関しては、インフィニティ・ウォーにアントマンを参戦させなかった製作陣の配慮が存分に行き渡っていたと言える。

ただし、エンドロール後の映像や量子の世界という新たな重要設定等、今後の結末に繋がるシリーズファン向けな要素もしっかりとあった。

 

ストーリーに関して

各所でも言われている通り、ワスプことホープが主人公と言っても過言ではないストーリーだった。

印象的だったのは、シリーズ作品の殆どに当てはまるヒーロー対(悪事を企む)ヴィランという単純構造では無かった事。

簡単に言えば本作のストーリーは、

ジャネットを救出しようとするハンク&ホープ、ハンクらの研究を奪い金を稼ごうとするバーチ一味、同じく研究を奪い自身の治療をしようとするゴースト

この三竦みがハンクの研究所(スーツケース大に縮まり持ち運び可)を奪い合うという構図である。

世界や誰かを守る為といったヒーロー然とした目的ではなく、力で人々を支配したり誰かに復讐をしたりといったヴィランによくある目的でもない。

それぞれ自分の為や自身の利益の為という非常にシンプルで直接的な目的であるので、立場が明確でとても見易かった。それと同時にヒーロー物らしさも無く、前作アントマンの特徴であった共感しやすいキャラの境遇等に、より寄り添ったと言えるのではないだろうか。

 

ただし、アントマンであるスコットに関しては、前作の時点でヒーローとしての在り方や家族との関係等、自身の問題を全て解決しており、今作ではぶっちゃけ周りに振り回されるだけとも言える(シビルウォーでハンクらに間接的に迷惑をかけているのでその償いとも言えるが)。また、後述のアクション面での問題等もあり、ワスプが主人公と言われるのは良くも悪くもという感じである。

 

ヴィランであるゴーストに関して、コミックでもあまり注目されていないキャラだった様で、本作で初めて見るという人も多かったのでは。

自分もその内の1人だが、個人的にはやはり、1人の特殊な力を持つキャラとして登場した割にはぽっと出感は否めなかった。

自身の能力が不本意に得たものである事、その治療を目的としている事等、特殊能力者の多いマーベルシリーズだからこそ栄える良い設定ではあったものの(スーツ無しでも能力を使える事にスコットらが驚くシーンも良かった)、それらの説明はいきなり、ささっと済ませられるので視聴者感情移入を得られにくいと思った。

無機質で不思議な感じのデザインも、アントマン達のレトロなデザインの雰囲気からは浮いており、シリアスな設定含めて他の作品ならもっと魅力的に活躍できそうだと感じた。

 

一作目と比べ、ヒーローになるまでの経緯や家族との向き合い方等の要素が排され、深く考えずに目まぐるしく変わる展開やアクションシーンを純粋に楽しめる、よりエンターテインメント性の高いストーリーになった印象。

 

アクションに関して

今作のアクションシーン最大の特徴は、シビルウォーで先にお披露目していた「大きくする」能力だろうか。大きい物を小さく、小さい物を大きく。我々が持っている「物の大きさ」の常識をぶっ壊してくれる作品だった。

予測不可能なサプライズ性、戦闘シーンのスタイリッシュさ共に正真正銘前作を超える面白さだったと言えよう。

SFチックなビームや瞬間移動等も無いので、見慣れてない人でも何が起こっているか分かり易く楽しめるのではないだろうか

 

個人的には、アントマンがスーツの故障等が原因で能力を自由に使えず、制限されまくりだったのが気になった。似た能力を持つワスプを引き立たせたり、アクションシーンに整合性を持たせたり(簡単に解決できない局面にする為)する為だとは思うけれど。