主にゲームと映画

ゲームや映画に関する感想等を書きます。ネタバレはあります。

Marvel's Spider-Man

少し前だけどトロコンしたので思い出せる限りで。

今までも何度か似た様なシステムでゲーム化されているスパイダーマン。今回プレステ史上最も勢い良く売れた作品となったのは、海外ウケは勿論のこと、日本へのマーケティングをしっかり行っていたのも大きい様に思う。
今までは映画版のゲーム化という形だったが、今回新たにゲーム向けにリブートを行ったという事で、かなり力を入れていた事も窺える。

アクション

まずは誰もが言及したいであろうアクション面について。
スムーズなワイヤーアクションは本当に見事。簡単な操作で映画さながらな糸を用いた移動が出来る。操作性もとても快適で、R2だけでも問題無く移動できるし、様々なアクションを組み合わせていけば移動もスピーディになっていくので、プレイヤーの腕前に応えてくれる秀逸なシステムになっている。
そしてアクションの一つ一つが切れ目なく自然に繋がっていくのも、ゲームらしい挙動を全く感じさせない。
散歩しているだけで楽しいゲームのトップに君臨したのではないだろうか。

戦闘面について、始めに断っておくと、決して簡単な難易度ではなかった(デフォルトの設定の場合)。
基本的に敵は同時にかなりの数が出て来るし、使える技も開発の意向で最初からほとんど使える(逆に言えば使いこなす必要がある)。
慣れない内は敵にリンチされる事もしばしばあるだろう。
しかしその分、非常に奥が深いシステムになっていて、戦う程に楽しくなっていく作りだと感じた。
複数の敵に対して、如何に1人ずつ処理していくかが醍醐味となっている。
横槍を回避する、ウェブシューターで牽制する、空中に打ち上げる等して、大勢の敵の攻撃をいなしながら1人ずつ剥がしていくのがとても楽しく、被弾しない様に立ち回るのは操作も忙しくなる分、上手くできた時は見栄えも良くなる。
糸を駆使した格闘だけでなく、ガジェットというアメコミヒーローには欠かせない科学兵器が使えるのも嬉しい。一度に使える数は有限だが、アクションゲーにありがちな、節約してたら結局使わなかったなんて事態にはなっておらず、如何に活用するかが対集団戦をスムーズに攻略する鍵となっている。
ステルスアクションもオリジナリティがあり、新鮮で楽しかった。敵と同じ土俵で器用に隠れたり敵をやりすごしたりするのではなく、敵の頭上を自由に動き回り、孤立した敵からワンボタンで仕留めていく、本作のスピーディさを取り入れてテンポを損なって無いのがとても良い。

ゲーム性

ワールドやシステム面について、オープンワールドなのだが密度が非常に高い。マップの8割方が高層ビル群で、自由に飛び回れるスパイディにはピッタリなワールドだ。ビルの屋上から街を見下ろすのも粋だが、
地面スレスレをスイングして市民の目線で街を見るのもとてもリアル。広いだけで何も無い自然が続くオープンワールドに対するアンチテーゼの様な、とても作り込まれたマップだった。
街で発生した犯罪に駆け付けるというシステムも、プレイヤーにヒーロー感を与える良い仕組みだと感じた。戦闘だけでなく、街を広々と使ったチェイスが出来るのもスパイディらしさがある。
キャラの強化等については、街の至る所にある収集要素やミッションをクリアして、その報酬でスキルや武器を開放していく感じ。オープンワールドゲーではだれがちな収集要素だが、純粋に移動が楽しいのと、マップを開かずに場所を確認できる事もあり苦にならなかった。

ストーリー

ストーリー面については、リブート作ではあるが基本はスパイダーマンの雛形に沿った王道な展開。しかし、本編スタート時点で既にスパイダーマンとして活動してから数年が経っており、いきなりスパイダーマンとして操作できるのはゲームライクでグッド。
ミスターネガティブに時間を割いた割には、あっさり片がつき、終盤も駆け足気味だったり説明不足だったりはあるが、ラスボスとのやりとりやラスボス後の一幕等の見所はある。マーベル作品おなじみのエンドロール後の映像も、次回作を期待させるものだった。